介護によって関係性は再構築されるのです

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親の介護って流行りませんかね?

「えっ?親の介護してんの?いいな~わたしも介護したーい!」
っていう時代がなかなか来ないっぽいので
こんないいことあるよ、っていう啓蒙をたまにはしようと思います。
負の面が目につきがちですが、良いことだってあるんです。

 

親子関係と仕事仲間というふたつの関係

13年前、わたしがまだ嫁ぐ前のこと。
サトコの夫(サトシの父)シンジが亡くなりました。
サトシが家業を継ぎ、サトコもその手伝いをしてきました。

同じ仕事をする親子はうまくいかない、という話をよく聞きます。
例に漏れず、サトコとサトシも、家業のことでよくケンカをしていました。
わたしが結婚して同居するようになってからも、
二人きりになると、よく言い合いをしていたように思います。

相手に不満を抱くのは、相手に要求するものが大きいから、
つまり期待しているからです。
サトシとサトコも決して親子仲が悪いというわけではありません。
家業という同じ目標をもちながらも、
お互いの「やり方」の違いに不満をもっていたのだと思います。

 

新しい関わり方が見えてきました

サトコが要介護状態になってからは仕事をまかせることがなくなりました。
「仕事仲間」という関係は解消されて、ただの「親子」になりました。

ふたりが手をつないで外を散歩したり、
日の当たる場所で喋りながら爪を切ってやっている姿を見ると、
何とも言えずおだやかな気持ちになります。

「かーさんの爪と俺の爪、めっちゃ似てる!(笑)」って言いながら
爪を切るサトシの楽しそうなこと。
安心して甘えきっているサトコの白髪が、日に透けてキラキラしています。
世間で言われるような、嫁と姑のギスギスした関係も、
今のわたしとサトコの間にはありません

介護状態にならなかったら、今のような信頼関係は
築けなかっただろうなあと思うのです。

 

ね、親の介護もいいもんだな、って少しは思えました?

 

 

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